広報誌「はんてん木」

浅井ヘルスケア グループ内の出来事をまとめた広報誌です。

ASAI HOSPITAL

第58回日本作業療法学会発表を終えて

 11月9~10日、札幌コンベンションセンターにて第58回日本作業療法学会でのポスター発表をさせていただきました。今回は11月6日~8日にアジア太平洋作業療法学会が同所で行われており、それに続いて国内の作業療法学会が開催されるという普段とは違った開催でした。いつもより短い期間での開催となりましたが、一般演題の発表は口述・ポスターあわせて1000演題を超えるとのことで、ポスター会場では様々な分野の作業療法士が一斉に発表をするため、数に圧倒されました。

 私は当院で行っている認知機能リハビリテーション「VCAT-J」と作業療法士ならではの視点で作業遂行における本人の能力と対人機能、パーソナリティを評価することが出来る「箱づくり法」を用いた就労への関わりについて単症例発表をさせていただきました。VCAT-Jや箱づくり法自体に興味を持ってくださる方や、実際に臨床で利用されている方からのアドバイスを頂き、新たな課題も見えてきました。VCAT-Jでのフィードバックの際に日常生活や仕事上でのその人が感じている困難さがどこからきているかを認知機能の視点と絡めてフィードバックを行うことで、より患者さんが意識しやすく、動機づけに繋がるといった具体的な意見も頂きました。認知機能面だけでなく、その人の生活全般を絡めて関わっていくことの大切さを改めて実感しました。

 作業療法は暗黙知が多い職種といわれています。暗黙知というのは、「個人の経験や勘に基づく知識で、簡単に言語化できない知識」という意味だそうです。他の病院や施設での発表を見聞きして「やっぱり作業療法は面白い」と感じ、とても良い刺激を受ける機会となりました。それと同時にプレリワークにおいて作業療法士としての専門性を活かしていくにはどうしたらよいかと考える良い機会にもなったと思います。これからの臨床の中で、少しずつ作業療法の専門性を活かせるよう精進していきたいと思います。