広報誌「はんてん木」
浅井ヘルスケア グループ内の出来事をまとめた広報誌です。
第8回日本うつ病リワーク協会年次大会 参加報告

2025年4月26日、27日に長野県松本市で開催されました「第8回日本うつ病リワーク協会年次大会」に参加し、心理科で行なわれているリワークデイケアの活動について発表させていただきました。
本大会での発表は、昨年、浅井病院のプレリワークで行なわれている神経認知機能リハビリテーション(VCAT-J)を用いた就労支援に続き、今回は「集団芸術療法を用いたプログラム導入の取り組みについて」という演題で、新検見川メンタルクリニックのリワークデイケアで行なわれている集団芸術療法の実践を紹介いたしました。
さまざまな芸術活動を通じて心身を治療する芸術療法は、医療リワークの分野でも知られていますが、専門スタッフの配置が難しいことやアート表現活動に対する通所者の苦手意識などにより、通常のプログラムとして提供される施設はけっして多くありません。そうした現状の中で、クリニックのリワークデイケアでは、芸術療法のトレーニングを受けたスタッフによるプログラムが毎週実施されています。アート初心者が取り組みやすいコラージュを主体としながら、多様なアート媒体を自分で選択できること、いつも同じ時間・場所・材料のある構造化された創造的表現の場であることなどが通所者に継続して受け入れてもらえる要因となっています。事例では、復職に対する不安や葛藤を作品で表現してグループに支えてもらった通所者が自身の働き方を見直し、生き方を再構築する過程について説明させて頂きました。
質疑応答では、座長の先生をはじめ、来場者の先生からも、集団芸術療法の導入としてコラージュを行なうことの意義や参加人数およびスタッフの配置など実践方法に関するご質問を頂き、大変有意義な機会が得られました。そして、発表内容をまとめるにあたり、アセスメントに基づく治療目標の設定やポートフォリオの活用といった課題も見えてきました。治療効果を高めるための検討を今後も重ねていきたいと思います。
末筆ながら、皆様の温かいサポートに対して心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。