広報誌「はんてん木」

浅井ヘルスケア グループ内の出来事をまとめた広報誌です。

ASAI HOSPITAL

第27回日本骨粗鬆症学会に参加してきました

 9月18日から21日の3日間、幕張メッセにて行われた日本骨粗鬆症学会に参加してまいりました。

 今年は千葉での開催であり、医師をはじめとした各リハビリ部のスタッフや医事サービス課、薬剤部など多くのメンバーで参加してきました。チーム医療・リハビリ・食事・薬物治療等様々な治療法について多くのセッションが開かれ、院内でのOLS活動推進に向けて多くの事を学ぶことができました。今回は学会で学んできたことを一部になりますが説明をさせていただきます。

 今回の学会では今年の7月に骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインが10年振りに改訂がなされ、それに関する発表や講演が多くなされていた印象でした。内容を全て書くと長くなってしまうので、私なりに解釈した部分を簡単に説明させて頂ければと思います。

 最も大きな変更点としては治療の目標が変更になったことです。どこが変わったのかといいますと、治療を受けた患者さんの半数が3年以内に十分な骨密度まで上昇させるような治療が推奨されるようになりました。こうなった要因の一つとしては骨折直後が最も骨折のリスクが高く、骨折をしたあと1年以内では骨折前と比べて骨折のリスクが約5倍程度まで上がることが知られており、早期に骨密度を上昇させることが続発性骨折予防に重要とされているからです。その為薬物治療に関しても骨折リスクが高い患者さんにおいては骨密度を早期から上昇させる薬剤使ってもらうことが推奨されるようになりました。これによって作られた高い骨密度を骨が壊れるのを防ぐお薬使って保っていくことが推奨されるようになりました。

 これ以外にもリハビリについての項目が改訂され、骨粗鬆症予防のためにもロコモやフレイルを予防することが大切であると記載され、これは当院での取り組みとも一致しているように感じました。ロコモやフレイル予防には十分な栄養摂取と運動療法の二つが重要であるとされており、当院でもリハビリ部の前にポスターがありますので、最近運動不足という方や筋力低下が気になるという方は足を運んでみてもらえればと思います。

 またほかにも気になった点としては骨粗鬆症検診についての内容です。この骨粗鬆症検診は主に自治体が主体となって40~70歳の女性を対象に5歳刻みで行う検診ですが、皆様は受けたことがありますでしょうか?実はこの検診は全国的には受診率が5%程度と低いため、受けたことがある人は少ないのではないかと思います(例えば乳がん検診は40%半ばの受診率です)。

 ただ骨粗鬆症検診の受診率が良い自治体では要介護率が低いといった報告もあり、自らの骨の状態を知ってもらうことは健康維持には大切になります。そのため、厚生労働省としても昨年健康日本21を改訂し、受診率を今の5%程度から15%まで上げることを目標に対応を進めているようです。当院では骨粗鬆症検診自体は行っておりませんが骨密度を測定できる環境がありますので、もし一度骨密度測定してみたいと思った方がいらっしゃいましたら、医事サービス課までお声かけ下さい。