広報誌「はんてん木」

浅井ヘルスケア グループ内の出来事をまとめた広報誌です。

ASAI HOSPITAL

令和7年度日本DPAT研修に参加してきました

 12月6日(土)、7日(日)の2日間、東京都日精協会館にて日本DPAT研修に参加してきました。

 これまでも幾度か報告させていただいていますがDPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)について簡単に説明させていただきます。

 自然災害や、犯罪事件、航空機列車事故等の集団災害が発生した場合には、精神的な不調をきたしやすく精神保健医療の需要が増加します。しかし、被災地においては精神保健医療機能が低下する事もあり、そこにおいて精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、各種関係機関とのマネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援が必要であり、この活動を行うため都道府県等によって組織される災害派遣精神医療チームがDPATです。

 その中で、今回の「日本DPAT」とは、昨年度まで先遣隊と呼ばれていたもので、発災から概ね48時間以内に、被災した都道府県において活動できる隊とされており、主に本部機能の立ち上げやニーズアセスメント、急性期の精神科医療ニーズ対応等の役割を担うとされています。

 今回研修は2日間でしたが、これまでに衛星電話の発信訓練、10数時間のイーラーニングを受講した上での受講となりました。

 初めて研修を受けたのが4年以上前で、そこから何回かの研修、訓練に参加させていただいたのですが、今まで必ず複数人、また一緒の部隊での訓練でした。ただ、今回は1人で行くことになり、心細い気持ちでの参加となりました。

 DPATにおいては、医師、看護師、業務調整員がチームとなって行われます。私は業務調整員としてロジスティクス全般を担う役割として学びを得てきました。

 内容としては、座学に加え、グループワーク、実践訓練など多岐にわたり、事前にeラーニングで学んだことと重複する部分もありましたが、そこは特に重要となる部分との事で、繰り返しの学びで実践に活かしていきたいです。

 今回は、能登半島地震で実際に被災地に行った方も多く参加しており、グループワークではその際の経験も聞くことができ、イメージを膨らませる事が出来ました。

 実践訓練においては、「神奈川県沿岸部を中心に大規模な地震が発生した」という想定の元、実際の病院名を使用して訓練を行いました。 

 DPATは縦のラインとして、県庁などにおかれる調整本部、災害拠点病院におかれる活動拠点本部、被災病院における病院支援、そこにDMATなどとの横のラインがあります。

 今回は、活動拠点本部活動と病院支援における病院内での活動の2方向からの訓練となっており、派遣する側、される側での立ち位置で実感を持って行うことができました。

 それぞれ、2時間ずつの訓練となりましたが、刻々と変化する状況の中、自分の置かれた状況においてできる事を探りつつ、変化に対応していくことはなかなかに難しく、あっという間に時間は過ぎ去りました。情報がうまく伝わらなく、もどかしかったり、一度に来る情報が多すぎて整理に困ったりと、散々ではありましたが、振り返りの際、それぞれの立場の方達がどのように考えて、どのように思って、どうあれば良かったか等を共有できたことは大変良い学びになりました。

 訓練に参加して毎回思うことは、準備をしても、し過ぎるということはないという事、また、そうは言っても災害はいつ起こるかわからないから、ついつい目を背けてしまう事もあるということです。個人的にはそう思うからこそ、DPAT隊員として平時からの準備を心がけ、有事に備えていきたいです。